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がけのさやこ音楽日記「うさちゃんのクッキー」

がけのさやこ音楽日記「うさちゃんのクッキー」
書いたひと: COLOR pencils

 

2021.2.13

 

今日は、路上ライブを初めて、何日目かな。

昨日、警察の人に注意されたのもあって、あたしのこころは、沈んでいた。

やりたくないなぁ…というか、言葉にならないけれど、自然と、怒られるところを想像してしまって、心が外に向かない。

 

今日は、朝起きてから、掃除やら洗濯やらを頼まれていたから、それに集中することにした。そしたら、また注文が来て、近くのパン屋さんにパンを買いに行ってほしいということだから、パンを買いに行って、それで、郵便局に届け物をだして、さてと。

どうしましょう。

 

でも、行くしかないなぁ~

 

あたし、最近気が付いてきたのだけれど、やる前に思う「やりたくない」という気持ちと、もっと前に感じた「やりたい!」という気もち。もし、「やりたくない」を優先してしまうと、自分のことせめてしまって、もっと、具合悪くなってくということがわかってきたの。さんざん、やりたくないと思ったことは、やらないようにしていたから、初めて気がついたよ。やりたくないことをやる不健康もあるけれど、やりたいことをやらない不健康もあるのね…

とはいっても、今日は、お金を目当てに一生懸命人に話しかけて、くださいください!なんてできる気分じゃなかったから、西園の近くの公園のベンチに座って、そして、自分のいつもの紹介カードだして、サンタさんの長靴の投げ銭入れを置いて、そして、歌い始めた。

 

♪今年はもう 桜が咲き始めた

ちゃんと準備してたのね

ちゃんと準備してたのね

あたしも 今年は 早く咲けそう

今年はもう 桜が咲き始めたのね

 

目の前では、4人組のお姉さんたちが、バトミントンをして遊んでる。

あたしは、目の前にいる人達、景色をみながら自由に、歌っていく。

 

♪首輪のついてないねこように

自由にきらくに生きれたらナ

首輪のついてないねこのように

のんびり のんびりと

 

これは、「首輪のついてないねこ」という曲。アヤノちゃんの「とがる」と同じコードにのせて作った曲なんだ。一時期はあんまり歌ってなかったんだけど、最近、ぽかぽかしてくると、ネコみたいな声で、歌いたくなるんだなぁ~きっと、好きな人たくさんいると思う。

可愛い曲だけれど、実は歌詞は、すごいつらい所があるの。

 

♪ いつからだろう

予定で埋まったスケジュール帳が生きてる意味で

何かに追われ止まらぬことで自分を保ってる

そうして、また「くびわの~ついてないネコのように~」ともどっていく。

 

はぁ~、いい曲だった。いい曲だった。思い切り歌える時は、やっぱり気持ちがいい。誰かに怒られることにおびえながら歌うと、逆に健康に悪いんだ。

それであたしは、通り過ぎる人に「こんにちは」とあいさつをしたり、遠くの空を眺めて一人の世界に入り込んだりしながら、何曲ぐらいだろう、結構な時間歌っていました。

今日は誰も話しかけてくれない。立ち止まってくれない。お金も、いつもは誰か一人は必ずいれてくれるんだけど、それもないから、なんとなく、これで帰っても、満足できない気がして、それでやっぱり、ずっと歌ってました。

そしたら途中で、井の頭公園に仲良しの飛行機おじいちゃん、高橋さん’sが現れたり、こちらも仲良し近くの中学に通う、愉快な男の子たちが現れて、高橋さんを回りながら一緒に歌ったり、飛行機やタカをとる写真家の人と友達になってそれで、鷹とスズメと飛行機の歌をうたってあげたり、なんやかんやして、楽しかった。本当はそれについても詳しく書きたいんだけれど、書くのって、難しいんだね!

書き始めたらどれも大事なことのように思えて、本当に最初書きたいと思っていた所までたどり着かないの。

どうしたらいいんだろう、もう、回を変えて書き直した方がいいのかしら?一日の出来事は、一回にまとめたらいいのかな?

 

全部が全部、大事な出会いだからなぁ…

 

全部の出会いを大切にできたらどんなにいいだろう。ちゃんと、全部、しるすことが出来たらあたしは嬉しく思う。

 

よし、じゃあ、ちゃんと、書こうか、ちゃんと、全部記そうか!

音楽を通して出会った人たちのこと、ちゃんと描けたら、あたし、歌を歌うのと同じくらい、とても幸せで、嬉しいことだと思う!

今までだって、たくさんいるんだ、だけど、自分の歌とか、こころの様子を記してたら、結局、その出会いまでたどり着かなくて、寂しく思うの。

出会った人には、みんな、その後も、元気でいてほしい。あたしは、そういう意味で、人前に出たいと思う。そしたら、ちゃんと、確認できるもの。頑張ってるよ!って。

 

今日のね、素敵な出会い。

それは、ここら辺が好きだからっていってお散歩に葛飾区のほうからきてる女の子です。

女の子っていっても、仕事をしてるから年上なんだろうけれど、でも女の子って感じの雰囲気でかわいらしいかった。あたしが、桜の樹に向かって歌っていたら、気づくと後ろで聞いてくれていたの。

あれ!こんにちは!

その子は、仕事をやっていたのだけれど、つらかったみたいで辞めて、今は何もしてないところなんだと、教えてくれた。

なるほど、だからこうして話かける気持ちになったんだろうなぁ、あたしはなんとなく納得して、ちょっと自分の話をしてから、その子に曲をプレゼントしてあげることにしました。曲の名前は「太陽が沈む前に」

西の空には、夕陽が沈んでオレンジ色になっている。ぴったりの曲だ!

人に歌うのは緊張するけれど、今日は長い時間ここにいたこともあって、この場所があたしに力をくれた。夕陽に届けるように、優しく、強く、声をだして、その子に届ける。

 

♪太陽が沈む前に

太陽が沈む前に

手と手を重ねあわせ

あなたの世界の優しさを知る

 

はぁ~。

 

歌い終わって、その子を見る。その子はマスクしてるからちゃんと表情はわからなかったけれど、とても喜んでるように見えた。「きれいです」ってそうあたしの声をほめてくれた。

そうして、あたしは気分がよくなって、他にも、夕方の曲を歌ったり、あとは、しんどかった時に作った曲「さくら」を歌ってあげた。

 

♪ ほんとは自分に何にも納得しちゃいないよ

それでも流れる時間のスピードに合わせて必死に走る

本当にこれでいいのかと立ち止まりそうになるたび

頭をからっぽにできる目の前の娯楽に飛び込む

束の間の安心感と快楽を引き換えに 残った虚無感

自分の価値いくらだ?

 

歌ってる間、あたしの心は、一つのことがぐるぐるぐるしていた。

 

目を見て歌ってあげたらいいのになぁ…

 

あたし、恥ずかしくて、恥ずかしいというか、どうしたらいいかわからなくなりそうで、人の目を見て歌えないの。歌えるんだけれど、歌えないの。歌えるんだけれど。

でも、本当は、目を見て、その子にちゃんと届けてる想いを伝えたい。

ちゃんと、目を見て。

それで、最後。「光」という曲を歌うことにしました。

大好きな曲、大好きな歌詞、この曲だったら、ちゃんと目を見て歌えるはずだから。

 

♪ 光ってよ 笑ってよ

となりで 思うまま

光ってよ 笑ってよ

となりで 思うまま

 

その子は、ずっとあたしの目を見ててくれた。

あたしも、もう、そのまま、からだのまま、まかせて、歌った。

 

♪わかるだろう 知ってるよ

ほんとは 違うんだろう

わかるだろう 知ってるよ

ほんとは 違うんだろう

光ってよ 笑ってよ

となりで 思うまま

 

 

「よかった~?」

「きれいでした、声が透き通るというか」

「えぇ~、そうかなぁ~」

 

よかった!よかった!よかった!

すごい嬉しかった。ちゃんと、目を見て歌えた。すごい嬉しかった。

こんなものしかないけれど、って言って、その子は、あたしにさっき三鷹駅のお菓子屋さんで買ったというクッキーをくれた。

 

「じゃあ、お互い頑張ろうね!」

 

そういってその子とばいばいしたあと、あたしは、なんともいえぬ気分で夕陽をみていた。

そうだ、と思って、またクッキーに手をのばす。そして、見てみると、そのクッキーの形はうさちゃんだった。

まるで、あの子のこころのようで、あたしは、ちょっと泣きそうになっちゃった。

 

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