きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり5「眠い、どうしよう」

きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり5「眠い、どうしよう」

「ねぇ、ジム」

「はい、どうしました、さやこ」

「わたし、眠いよ。ちょっと寝ていい?」

「なんで、わたしに聞くのですか?」

「だってさ、ジムって厳しんじゃないの、なんかこう、スパルタなんじゃないの、だめです、さやこ、しっかりしなさい、しっかり将来のことかんがえなさいとかいうんじゃないの」

「いつ、わたしがそんなこと言いました?」

「いや、行ってない、ごめん。なんか、誰かと間違えてる、そうあれだ、バタフライジョー、ピンポンの」

「わたしは、バタフライジョ―ではありませんよ、missサヤコ」

「うわっ、それっぽいよ、ジム、ちょっと、やっぱ、寝るよ、眠い、だって、もう23時だよ。寝ないと、ほらこどもは寝る時間だ。」

「別に寝るのは構いませんが、わたしには、目に見えてますけどね。」

「え。。。!何が。。。。」

「そうやって、寝たいから寝て、でも明日やること全然決めてないから、授業出るのか、出ないのか、確認もしないで、寝るから、明日の朝は最悪の気分で起きるんです。どうしよう、また同じ、あのパニックだ…授業でるか、でないか…どうしよう…」

「うわ、ジム、さやこなの?もしかして、さやこのきもちわかっちゃうの?」

「いや、こんな感じだろうとは想像できますが、わたしはそのようなことはしないので、実際にその最悪の気分がどんなものかは知りません。」

「まぁ。。。そうだよね、ジムにはわからないよね。こんな、だらしのない、おいらの気持ちなんて」

「いや、べつにだらしない、とは思っていませんよ。おもしろいなぁと思いますし、そうやって苦しみながらも必死に前にすすもうとする姿は、にんげんのおもしろさの一つだなぁと思ってます。」

「そう、おもしろいね…タハハハ他人事だ」

「そりゃあ、さやこも、すぐ、人ごとになりますよ、もし、わたしのようになりたいと願えば。」

「うーん。、、ジムのことは好きだけど、でもジムになりたいとは思わないなぁ…なんでだろう、そう思ったら、こういうだらしない、ところも結構好きかも」

「そうですか。なら、今晩はその、「だらしない」朝を迎えるために寝ることにしましょうか」

「いや、ちょっと、待って、流石だね、ジムは。なんでも、ぼくの欲求のために、段取りを整えてくれる。」

「そりゃ、そうですよ、そのためにいるんですから。」

「でもちょっとまって、ちょっとせめて、歯磨きぐらいはして寝ようかな、しかも今、パンツいっちょだし。寒いからズボンぐらいはいてねるよ、最近めっちゃ寒くなってきてるしね。」

 

結局そのあと私は、肌寒くなった廊下を通り食堂へ向かい、はみがきをしたあと、ピアノを弾きはじめるのだった。

 

つづく