きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり6.66666666…..「ピアノ」

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わたしは、もう一回寝ることにしました。ジムと一緒にいると、自分の悩みが、すごく小さいものに思えてくるのです。わたしは、ジムにおやすみを告げて、起きると、もう日が沈みかけていました。

「あれ…いま、何時?」

周りを見渡しますが、ジムはどうやら他の場所へ行ったようです。

私は、布団の上でしばらくぼんやりしていましたが、ふと、あたまの中に、黒と白の鍵盤、食堂の端でひっそりとたたずんでいる、あのピアノのことが思い浮かんできました。

いかなくちゃ。

途中、セブンで板チョコを買って、ビーさんをひっかけて、走ります。熊野寮はわたしの家から5分ほどのところにあります。

寮についた私は、そのまま、ピアノのもとに向かい、そして、二つのピアノ、どちらのふたもあけて、そのちょうど、真ん中、ピアノと正三角形になる場所に椅子を置き、板チョコをかじりながら、その二つのピアノをじっと眺めることにしました。

 

。。。。。…。。……。…………………。。。。。。。。…。。。。。。。。。………………。。。。。。。。。。。

 

「ねぇ、ジム」

「なんですか?」

「あのさ、わたしさ、なんかさ、」

「うん」

「ピアノなんだと思う。」

「ピアノ?」

「うん。ピアノ。それでさ、みんなさ、ピアノ、弾いてるの。」

「ピアノ弾いてる?」

「うん、みんなピアノ弾いてる。」

「そうなんですね。」

「うん。いろんな曲だよ、すきなように、みんな、みんな、みんな、みんな、音を奏でてる」

「わたしさ、ピアノ、ピアノ、ぴあのになりたいな」

 

つづく