きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり7「がんじに聞いてみよ」

きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり7「がんじに聞いてみよ」

 

「ぷはっ!!!!!!!!」

「おはようございます、さやこ、といっても、もう18時21分ですけど。」

「うわ、ジムだ!おはようおはよう!久しぶり!なんか、随分久しぶりだね。」

「そうですか?わたしはずっと、そばにいたんですけどね」

「そうだったんだ、いや、ちょっと、いろいろ、考えててさ、ずっと、こもってたの、ずっと布団の中に入って、ぼーって天上眺めて、なんか、違うとこに言ってた。ぜんぜん、やる気とかでなくって、なにか、誰かのこと待ってるきもするし、だれのことも待ってないような気もするし、いろんな、こと、いろんな、ひと、いろんな、かぜ、けしき、なんか色、みえて。。。。でもさ、ジム、やっぱりさ、なにもやらないと、きもちわるくなるね」

「はい」

「さいしょは、きもちよかったんだけど、だんだん、身体が元気になってきて、そういうときでも、ふとんの中にいたら、ほんとに、自分なんてだめなやつだ、なんてだめなやつだろうって、思いはじめてさ、他の人と、比べはじめて」

「はい」

「でもさ、人と比べるのって、ダメってわかってるし、せっかくそうならないようになろうと思って、そうなってきたんだけどさ、でも、「人と比べる」って、なんだろう、思考というか、あたりまえの状態、なんじゃないかな、こう、これと、この条件がそろえば、人と比べるようになるって、感じでさ」

「お、いいことに気が付きましたね、さやこ」

「うん、つまりはさ、ジム。メンタルとか、精神、こころってさ、そうなる環境、条件が整えば、悪くもなるし、よくもなるってことだよね」

「そうです。なりたい自分の状態になりたければ、その環境と条件をそろえれば、必ず、なれます」

「そして、それは逆もそうだと」

「はい、なりたくない自分の姿になりたければ、そういう条件を整えれば、なりたくない自分になれる。」

「そっかぁ~なるほどね、じゃあさ、また、戻ってきたし、また、ジム、おいら、なりたい姿になれるための、計画、手伝ってくれる?」

「もちろん」

「そう、さっきまではさ、もうジムすら、話したくないって感じだったんだけどさ。なんか、やる気出てきた。て、ことで、とりあえず、わたしが思う漠然とした、なりたい姿みたいなの話すね」

「はい、どうぞ」

「それは、まず死ぬときのことなんだ。死ぬ時にね、みんなに、あばよ!って言って死ぬのさ、それでその時には、わたしが大好きな子たちが、あたまの中でみんな笑ってて、さやこが死ぬ姿を見てるの、それは、それはすっごく幸せなんだ」

「なるほど、一番最後の死ぬ瞬間を思いうかべることで、どんなにしんどい時が来ても、終わりがあると希望が持てるわけですね。」

「そうです。そうですわ、じむ。そして、えっとね、まずね、一つ。ピアノ。
さやこね、100歳くらいかなぁ…
もう、その時には、すっごいピアニストになってるんだよ。さやこのピアノ聞いた、どんな人もピアノ、やりたくなっちゃうような、どんな人も、人生楽しもうって、思っちゃうようなピアノ。
それはそれは、本当に楽しくってさ、聞いてたら、すごいのさ、その人のこころの音弾けちゃうのさ、でさ、もちろん、クラシックとか、難しいすでにある曲も弾けるんだけど、でも、そんな型よりも、とにかく、お前ら、楽しめ!っていうような、人、おばーちゃんになってんのさ。」

「なるほど」

「あと、としより、になってるとき、ほしいもの…

うーん、、、

他には、もちろん、家族、というか、人に囲まれて、毎日にこにこ、笑って生きていられたらいいなぁ~、それでさ、わたし、そうだ!!!お年寄りまでずーーーーーっと、ヌードモデルしてたいんだよ!人生かけた、ヌードモデル!今は、23歳だから、若くって、さ、そういうよさもあるけど、年取ったら、だんだんしわ出てきたりするじゃん、それをずっーーーっと、とっておきたいのさ!!」

「あ、それは、それ見て、救われる人、かなりいそう。」

「でしょ!そうだった、忘れてた、そう、それしたかったんだった。」

「あとは、ありますか?」

「うーんとね、えっとね、なんだっけ、あとおばーちゃん、死ぬ時にほしいものかぁ…

そう考えると、もうないなぁ。。。。うん、ほしいもの、それは、思い出、すきな人に思いきり、好きと伝えてて、愛してる人達に愛してることが伝わって。。。。うん、

きっと、もうない気がする。ほしいもの、もうその時には、もっててさ。その時に欲しいものって、

あ!そういうことか、一生続けたいものってことか!」

「お、いいことに気が付きましたね」

「うん!!そ一生続けたいもの!それは、
ピアノ!そして、
はだかのありのままのおいらを記録すること!」

「それじゃあ、人生をかけた、やることはとりあえずは見つかりましたね。」

「うん!見つかったよ~!!うれしいな~」

「それでは、もう少し、短いスパンで考えてみましょうか。」

「そうだね。それでいったら、まず、今大学生なんだけど。大学にいるかどうか、も迷ってるところでさ、なんだろう、今までは、高校3年間、とか、受験、とか、期間があったんだよ。だからさ、そこの期間までは、こうなってる!って希望が持ててたんだけど、大学に入ってからは、「卒業」というのに、すごい、なんだろう、今までみたいに固執できなくなっちゃってさ、だから、こう、毎日、なんとなく生きてるって感じになってるのかもしれない。。。こう、なんだろう、緊張感がない…」

「そうですね。ちゃんと、期間が設定されているというのは、人間にとって大切なことです。それは、まるで、死ぬのが最初からわかっている人生と一緒です。」

「あぁ!そうだよね、この人生に終わりがないと絶望したときこわいけど、ちゃんと死ぬってわかってたら、とりあえず、そこまでがんばるかって、思えるもんね。」

「はい。ですから、期間を設定するという、さやこの気がつきはとても大事なものです。」

「なんかさぁ、メンタリストのDaigoさんの本とかさ、20代までにしておきたいこと、とか、そういう本にも書いてあったけど、やっぱり、あれね、人に言われるだけでもできなくてさぁ、、、なんか、この人達はいいよな、そういうこと、書いて、気が付いて、それでお金になってサ、とか、変に卑屈な心が出てきてさ、逆に逆らってやろう、、、みたいなことあるんだよね。やっぱり、自分で気が付くのが楽しいよ、ジム!」

「恭平の場合は、いろいろと教えましたが、さやこの場合は自分で考えるのが好きなようなので、私も聞く側に徹しようと思います。」

「うんうん、そうして、わたし、自分で考えることが何よりも好きだから。そう、なの、ほんとにね、考えること大好き!人に言われたり、否定されるのは、嫌い。自分で否定したりする分には、いんだけどさ。」

「そうですね、そうであれば、言わなかったらいいんです、人に。一人でこっそり、書き続けたらいいんです。書いたものは、無理やり人に見せたり言う必要もないですから。」

「ジムもそうだったよね、コツコツ、おじいちゃんのこと記録書いては、ためて、ここまで来てるもんね。わたしも、それ真似しよう。なによりもさ、人に見せると、それにぶれて続かなくなっちゃうんだよ。だから、そうね、だからこそ、やることを、ちゃんと一日のやることを決めておくのが大事なんだね。」

「はい」

「人に見せて、動揺しないようにする、というのは、無理だからさ、人の中では動揺しちゃうっていうのを前提にして、じゃあどうするかって考えればいいんだね。」

「それもいい気がつきです。人は、人にどう思われるかを気にする動物なので。それは当たり前のことです。」

「そうだ、そうだ。特にたぶん、わたしは、その癖がすっごく強いしね。人のこと気にするの。そしたら、その性質をいいものに使おう!

というわけでジム、さっきの話ね。そうだ、だから期間を設定するということだったね。」

「はい、さやこは、どんな期間を設定したいですか?」

「やっぱりねぇ、期間は、大学時代ってことにしたいな。なんでかっていうとさ、仲のいい友達が、ちょうど、2年後に卒業する人が多いから、そうしたい。えっと、ヨシケイはたしか、今3年生だから、あと、来年、うん、再来年の4月。それまでに、ね、決めておきたい。暫定的に」

「はい。それで、さやこはなにがしたいんですか?」

「やっぱり、卒業プロジェクトみたいなことはしたいな。あと、ね、大事、これは大事なんだけど、言語はやりたい。中国語、ロシア語。。。ここらへん、一回授業でとったけど、挫折したやつ、これは頑張りたいな。」
「なるほど、まだ、曖昧ですね。」

「うん、まだ曖昧。だけど、とりあえず、精神病理の勉強してみるかぁ。。。うーん。。。うーん、、、、

まって、このまえさ、卒論それで書きたいって言ったじゃない。」

「はい、言ってましたね」

「だけど、なんだろう、それでさ、授業でてみたんだけど、なんか、違う感じがしてさ、どうしたらいいんだろうね。なんだろう、うーん、知識も大事ではあるんだけど、、、なんか、そればかり、身に着けたら自分のバランスが悪くなりそうだなぁって感じがしちゃって。知識。。。知識。。。大事かなぁ。。。。わたし、勝手に判断しない方がいいかな。無駄、とか、いや、とか、そういうので。一度決めたら、やんなきゃだめだよね…」

「続けてください」

「うん。でもね、まだ松本先生にも会ってないの。結局。ということは、さ、わたし、結局、話考えただけで、これっぽっちも話進めてないってことだよね。でも、授業にはでた。なんか、ちょっと違うと思った。それだけがあって、それだけで判断することもできるし、もっと進んでいくこともできる。うん、どっちでもいいんだね。どっちにするか。うーん、わたし、判断するには、もう少し、本とか、論文、自分で書いてみようか…でも、なんで論文書きたいんだっけ?」

「どうして論文書きたいか?」

「それはね、そう、一言で言うと、みんな、ともだちに、すごい!って言われたいからだよ。みんな卒論書くじゃん。総人は書かなきゃいけないから。それで、卒論っていう形がみんな一緒なら、わたし、作品創りたいなぁって、すごい!これはすごい、さやこ流石!って言われたいの。それだけが欲しい。それだけでいい。認められたい。がんじには、特に認められたいな。がんばりたい。だから、書きたい」

「すなおでいいです。そうですね、だから、さっき、人生の最後を考える時精神病理の話なんて一つもでなかったんですね。」

「うん、そう。だって、がんじに認められるためなら、どんな形でもいいんだもん。ただ、それが論文だと、ほら、同じ分野になって、すごいって思われるじゃん。だったら、そうかぁ。。。そしたら、文化人類学とかの方がいっか、だって、「論文」って形が一緒でも同じ分野じゃなかったら、わかんないもんね、そのすごさ。」

「そうですね、賞などがもらえれば話は別ですが、総人には存在しません」

「なら、だめじゃん。もっと、わかりやすいとこじゃないと。。。うーんと、それじゃ、頑張れない、わたし。文化人類学も、ちょっち、ムズカシそ、すぎてなぁ。。。研究室とか行きたくないし、でも、とにかく、りたい、やりたい、やりたい、のは、卒業作品みたいなの作って、すごい!!!って、言われたい!!」

「そのためには?」

「やっぱり、わかりやすい、勉強系じゃないとだめかなぁ。。。うーん。。。うーん。。。。ちゃんと、創った後に、自分でもそれなりに満足してて達成感もあって、そして、それなりに、ちゃんと、他の子、特にがんじ、まぁ、がんじとヨシケイでいい、二人にすごいっておもってもらえるもの。」

「なるほど」

「そういえば、二人のこと大好きなんだけど、それってさ、つまりさ、そうだよ。ヨシケイは言語学でしょう?それで、がんじは、文化人類学でしょう?だから、さ、あ!そっか!!そういうことか!!わたし、二人のこと好きだから、認められたい!って思ってたけど、ちがくって、ほんとは、わたし、言語学と文化人類学って、すごい、好きでさ、自分の才能発揮できそうだなぁって思ってて、それで、だから、ふたり、ふたりなら、それ、わかってもらえるから、だからかな!だからなのかな!」

「つまり、文化人類学と言語学をまぜたところで作品を創りたいと。」

「いや、ちょっと、待って、それじゃだめ。それじゃがんばれない。続かない。想像しても面白くない。難しい本は読めない、相手が望んでるようなものじゃ書けない。正しい世界、というものを作らなきゃいけないのなら、私はできない、だって面白くないもの。

私が好きなのは、そう、私が好きなのは、自由に発想すること。間違ってるかもしれない、とかそいう恐れなしに、どんどん、発想を広げていきたい。そう、それはピアノと一緒だね!そうか、だから、多分、ピアノをやる姿勢も、勉強をする姿勢も一緒だ、一緒だ。そうするとね、そこには、いらない、いらない、恐怖で自分の発想を広げられない環境は一切、要らない。もし、大学の研究室がそういう場所だとしたら、わたしは、行かない、し、しんどいけど、一人でやった方がましだ。」

「教授が担当についたって、本人にやる気がなければどうしようもないですからね。」

「あ、そっか、つまり、なんだろう、エネルギーの軸はもう、整えておいて、それで、自然にそこにぴったりな人を探せばいいんだね。でも、ちょっと、まだわたしには問題があってさ、頑張りたくないっていう問題があるのさ。」

「はい」

「そう、もう、頑張りたくない、ストイックになりたくない、目の前のやりたいことをやりたい、目の前の衝動に従いたい、食べたいときに食べたい、寝たいときに寝たい、休みたいときに休みたい、頑張りたいときにがんばりたい、そいう感じ。そうするとさ、例えば、じゃあ、がんばろう!って思って、レッスンとか行ったりするじゃない、ギターとか、なんでも。でも、その時間、行きたくなくってさ、行きたくないよ~休みたいよ~って、なっても行かなきゃいけないじゃん。それが、いやでさ、この前も結局ギターの体験レッスン言ったけど、辞めちゃったんだよね。食べたいときに食べたい、書きたいときに書きたい、知りたい時に知りたい、そんな感じ、だから授業も嫌い」

「なるほど、でも、そうしてきたんじゃないですか?さやこ、実験してましたよね、ここ3週間ほど」

「うん。してた。とりあえず、今の欲求に従う。そしたらさ、食べるのは、食べるの、寝るのは寝るの、ピアノ弾くには弾くの。アニメ見るには見るの。歌うには歌うの。散歩するにはするの。
それはそれで気持ちがいいの。
だけどね、なんかどこか、焦っちゃう時がってさ、なんだろう、どこかで誰かが、「おまえ、ほんとに、そんなんでいいの?」って聞いてくるんだよ。そんな、狭い世界で満足してていいの?って。もっと、努力した先に見える景色見たくないの?って。」

「てっぺん…」

「うん。そう。家のそばの丘と、富士山。。。。あぁ。。。。わたし、やっぱり、先の景色も見てみたい。。。と思う自分もいる、というか、誰かに言われると悔しくて私も行けるもん!って、置いてかないでよ!って思うの。」

「はい。」

「だから、結果ね。今、わたしが囲まれている人達の中で、ごろごろ、目の前の欲求に従って生きるのは、満足できない。それがわかった。3週間過ごしてみて。」

「いいです。大事な気が付きです。」

「うん。はてさて、そしたら、その気が付きを論文にでも書きますか。いや、まって、そういうことはよくって、ちょっと待って、松本先生の研究室のページ調べてみる。」

「はい。」

そういってさやこは、もう一度、自分のやりたい方面を見つけるため、松本先生のホームぺージを調べてみることにしました。

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「ジム、調べてみたんだけどさ。やっぱ、めっちゃ好きだわ、面白そうだわ。なんか、わかってきたぞ。」

「はい、何がおもしろそうだったんですか?」

「いや、あのね、先生の研究室のページのさ、横に「身体、芸術、狂気 作品の痛み」っていうイベントのお知らせがあってさ、それ見たら、なんか男の人がすごい悲痛な顔して叫んでるようなポスターがあって。それ見てたら、あれ、思いだしたんだよ!暗黒舞踏!そう、北海道行ったときにさ、マリオちゃんに紹介してもらった、あれ、思いだしてさ、あ!そうじゃん!って、そうじゃん!って思いだした!」

「何を思いだしたんですか?」

「えっとね、わたしが、退屈だなぁ。。。って思うのは、あれよ、学問独特の、あの自分はおかしくならない、みたいなスタンス。冷静にさ、言葉でこう、自分のことは棚に置いておいて、とりあえず、なんだろう、離れたところから患者さんを、分析するスタンス。ほうほう、みたいな、話し合いも、「統合失調症の人はこうこうこうで。。。。」「ほうほう」みたいな。あれが退屈なんよ、あれが、いやなんよ。
わたしは、おかしくなりたいんだよ、思いっきり。分析したいとも思わないし、分析されたいとも思わないし。わたしは、ただ、一緒に、一緒におかしくなりたい、そんな感じ。一緒に発狂したいし、一緒に怒り狂いたいし、一緒にもの壊したいし。あなた、と、わたし、まともなお医者、と、おかしな患者、じゃなくってさ、そうそう、でさ、だから学会発表会とか、ゼミとか、大っ嫌いなんだよね。なんか、窮屈で…」

「なるほど、なるほど。」

「ということは、まって、たしか、芸術界にいたよな、そういう人、一緒におかしくなって患者さん治療する人。誰だっけ、映画作ってた……がんじに聞いて見よ」

 

つづく。