きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり8「全治1年鳥 ねずみ」

きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり8「全治1年鳥 ねずみ」

「どうでした、がんじから返信ありました?」

「いや、ない。けど、なんかさ、がんばって調べてみたらなぜか、竹中直人のインタビュー記事みたいなの出てきて。それがめっちゃ面白かった。面白い、いいなぁ~前から結構好きだったんだけど、あのなんだろう、楽しんでる感じが。でも、人間についてちゃんと知らなかったけど、いいなぁって思った」

「そういえば、彼のだめカンタービレでも出てましたよね」

「そうそう、そうなの!とっても、いい役だったんよ。それでさ、彼もやっぱり、小さい頃、コンプレックスの塊でさ、びくびくしてたんだって。人との協調性もなくって、ってよく言われたらしい」

「おうおうにして、そいうものですよね、人は。違う姿になれるものを好む」

「うん。まさしく私もそう。いつもびくびくしてるし、してたし。だからこそ、そうじゃない、人生楽しんでる人に憧れるんだよね、怖がらず」

「はい、それは、なんとなくわかります。」

「まぁ、それはおいといてさ、やっぱり、わたし、あたまの中では、完全に有名になる気しかないし、そうやるんだろうけど、なんだ、やっぱ、行動が伴ってないなぁって。…」

「だけど、つまらない努力はしたくないと。」

「そう!わたしの憧れの人、きょうへいくんの所でさ、会ったでしょジムも。ホウハンるう」

「会いましたね。ホウハンるう」

「とにかく自殺するな、死ぬな、死なないために、どこにもいないようなやつになれ、作品なんか作るな、お前がいるだけで、まわりがハイになって、何かが始まりそうな気分で充満させろ、そして、最高のタイミングでその場からいなくなって、また一人でどこかへ動け、死ななきゃなんとかなる、直感だけはいつも最高性能の半端ないブツを積んで、毎日バージョンアップさせろ馬鹿野郎だって。」

「はい。それは私が読みとった言葉ですね。」

「最高だよね、勘。いまも、なんか、びんびん、来てる感じ。とりあえず、楽しい。考えるの。いい感じだよ。掴んできた。つまらないものはちゃんと避けられる。その代わり、面白いものも、まだちょっとつかめてないけど。」

「わかってますね、自分のこと。他には好きなセリフありました?」

「『お前の勘は一流だと思うよ。でも勘だけだ。そして、勘だけでいい。変に作品なんか売れてどうする?』

あ、あとね、これも。

『議論なんてほんと意味がないんです。必要なのは、自分の直感が駆動するかどうかだけ。私は人の話を全て真実だと思って聞いてますよ。』

なんかさ、自分の直感をさ、自分の周りにぐるぐるぐるさせとくのさ。それで、そこにぶつかった言葉、隕石が、流れ星みたいに光ってサ、それが起こるのを、よく観察しておくの。」

「あ、それはわたしのセリフですね。」

「うん、どっちのセリフかなんて、どうでもよくってさ、なるほどな~って思った。改めて。ジムはすごいよ。」

「いえいえ、ありがとうございます。」

「それで、話は、そう、さっきの精神分析の人の話でさ、わたし、どうしたいか、どうしたいか、考えたわけでしょう。うん、ちょっと、お金稼ぎたくないんだけど、どうしたらいいかな。お金ない。節約したくない、どうしたらいいかな、ご飯かいたいし、ごはん食べたいし。あぁ、ちょっと、頭おかしくなってきたかも。どうしようね。いつもこんな感じだ、やっぱりだめだなぁ…どうしよう。」

「散歩してください」

「散歩?」

「はい、散歩です。」

「ねぇ、ジム。やっぱり、規則正しい生活、しんきゃだめなのかなぁ…規則正しい生活なんてくそくらえだよ。全然、やりたくないよ、この時間にねるとか、きめるのいやなんだけど、頭が決めたことに従うの、ほんと、いやなんだけど。めっちゃストレスじゃん。なんか心地のいい時間の過ごし方して、それが結果的に規則正しかったらいいよ。だけどさ、規則正しい生活するために、規則正しい生活するなんて、そんなくそな話ないよ、わたしは、したくないし、そんなことしても、不眠になっちゃうよ、わたし、すぐに。」

「したくないなら、しなくてもいい方法がありますよ。」

「そっか、なら、それでちょっくら、考えてみる。」

「さやこ、いいですか。いくら他人のために、他人のために、って考えても、それは、自分のためなんですよ。そんなにいいことを言っていても、どんなに他人のためと言っていても、それが自分にいいことをもたらすからそれをやっているのですよ。優しいとか、真面目、気がつかえる、とか、そういう言葉をもらいたいために、選択を悩むのはさっさとやめたほうがいいです。」

「。。。。。。。うん」

「さやこは、まだそこに悩んでます。空気を壊さない事、協調性がなくなること。ないやつは、省かれます。そのかわり、自分に合わない場所にいなくてすむ。あるやつは、そこでやっていけます。そのかわりそこにいるために、やりたくないこともやる。それだけです。そこに人格、とか、優しさ、とかそいうのは、ないんです。それは、語りたいものが語るだけでしょう?」

「。。。。。うん」

「さやこは、いつもそうですね。」

「。。。。。。。うん。でも小さい頃からそうだから、そういう性質を無視すると、わたし、めっちゃつらいんだよ、多分、めっちゃつらい、なるべく、怒られないところにいたいよ。なるべく、人に敵意を向けられないところにいたい。だけど、善意もむけられないところがいい。善意はめんどくさいから。心配されるのはめんどくさいから。。。。。」

「でも、心配してくれる人のことはすきなのでしょう?」

「そりゃあ、そうだよ。きっと、わたしの知りあいがこれみて、え、わたしさやちゃんに心配しちゃった、ってめんどくさいやつって思われてたんだって、傷付くことも考えて、これ書いてるもん。あぁぁ、ごめんね。そういうことじゃないんだ、でも、心配されるのはめんどくさいと思っているのも確かなんだ、、、」

「うーん、さやこは常々、表現者で、表現者に向いていない人間ですね。」

「うん。。。。。。だはは。だから、いったでしょう。裸とピアノ。どっちも言葉話さなくてすむ。傷つけなくてすむ。だから、それは一生やってたい。だけど、文章書くのはやりたくないな。…だって、傷付けるもの。」

「なるほど。わたしとは違いますが、そういうさやこの性質上手に生かせたらいいですね」

「はい、そのために、ジムさん。お願いしますよ。

というわけで、期間だ、そうだ、期間の設定だったね。」

「はい。」

「でもさ、言い忘れてたんだけど、そう、さっきは、がんじに褒められたいって言ったでしょう?」

「はい。」

「だけどさ、それと同時に、わたしがこういう『自由』な『直感的』な生活を送ろうってするとさ、がんじが頭の中で、授業出たほうがええんちゃう?っていうの。あと、あれも、最初に付き合っていた人もさ、いうの。さやこ、そんなことかんがえないで、早く授業でぇやって。出てたら、いい出会いもあるし、研究室だって、出て続けてたらいいことあるからって。」

「なるほど。それでは、さやこに問います。」

「はい。」

「あなたは、鳥です。」

「はい。」

「事故に会いました。」

「はい」

「飛べなくなりました。全治1年ほどの怪我です」

「はい。」

「それと同時に、自分が誰だか忘れました。」

「はい。」

「鳥は彷徨います。すると、ねずみたちに出会いました、」

「はい」

「ねずみたちは毎日忙しく働ています。」

「はい。」

「そして、いうのです。どうしたらいいかわからなかったら君も働けと。」

「はい、」

「やることは山ほどあるんだから、早く、早く。ぼんやりしてる暇なんてないぞ、と。」

「はい。」

「鳥はねずみたちと働くことになりました。」

「はい。」

「鳥は、はじめ、すなおにねずみたちのいうことを聞き、一生懸命働きました。」

「はい。」

「しかし、しばらくすると、毎日続く同じような生活に、鳥は本当にこれでいいのかと思い始めてきました。」

「はい。」

「不安になった鳥は一匹の仲良くしてくれていたネズミのちゅうに聞いてみました。」

「ねぇ、このままでいいのかな?」

「すると、ちゅうはこう答えました。」

「そんなことかんがえたって、これがぼくたちのやることなんだから、やるしかないよ」

「そっか…」

「ちゅうは、一番はじめ、鳥がねずみの中で暮らすとき手伝ってくれた信頼できる仲間だったので、鳥はその言葉を信じることにしました。」

「しかし。」

「しかし、それでも、鳥の中にある違和感は消えません。鳥は、なんとなく、ある日、作業をとめて、ねずみたちの様子をみてみることにしました。」

「はい。」

「ねずみたち。よくみると、そのいっぴき、いっぴきは違うかたちをしていました。」

「うん」

「彼らをよく見てみた鳥は、この中に鳥と同じように違和感を抱えているものはいないかと思いました。」

「うん」

「すると、ときより、そのねずみたちの中にも、目のなかに、なにか、にごりのようなものがあるねずみがりいることに気がつきました」

「うん」

「そういうねずみは、たいてい、ねずみたちの中でも、大変働き者と言われているもの、それか、どんくさいと、噂されているねずみたちでした。」
「うん」

「鳥は、思いました。」

「ぼくも、あの目をしているのだろうか…」

「あるとき、鳥のもとに、一匹の鳥が降りてきました。」

「うん」

「地上におりてからというものの、ねずみしか見たことがなかった鳥は驚きました。」

「キミは、だれだい?初めてみる、形をしているね」

「なに、言ってんだよ、そんなこと言ってないで、早く飛ぼうぜ」

「飛ぶって、なに?」

「え、飛ぶってことがわからないのかい?こうやるんだよ、ほら。」

「そうして、鳥は、鳥の前で、ふわっと空中で一回転して戻ってきました。」

「………すごい!!!!ぼくも、やりたい!!!!」

「そりゃあ、できるさ、やってみなよ」

「いや、ぼくには、できないよ…だって、ぼくは、そんなことしている暇ないんだ。今だって、本当は食べ物を巣に運んでいる途中だし、…」

「でも、やりたいんだろ?」

「うんやりたい、」

「じゃあ、やるしかないだろ」

「え、でも…。できないよ…ぼくには。」

「は?ほんと、おまえってばかだなぁ!そんな、ぐずぐずしてる奴なんてしらねぇぜ、おいらは行く!じゃあな!空でまた会おう!

そうして、鳥は飛んで行ってしまいました。それを鳥は、ぼんやりと、姿が見えなくなるまでじっと見ていました。」

「(なんて、…じゆうなんだ…。)」

 

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「…。」

「どうしました、missさやこ、これはあなたの物語ですよ。鳥はどうしたらいいんですか?」

「うん。うん、その後、どうするか。うん、飛ばないとね。飛ぶ練習しないとね。」

「はい。」

「たぶん、考えたのはね、一番最初に考えたのは、仕事しながら、休みの間、飛ぶ練習すること。」

「はい。」

「たぶん、それが一番正解な気がする。」

「はい。」

「だけど、わたし、そうじゃない方向に進んでいってるみたいなの。」

「はい。」

「仕事、休んじゃってる。」

「はい。」

「仕事休んじゃって、ぼんやりと、毎日生活してる」

「はい。」

「ぼんやり?わかんない、ぼんやりの中にも、実りはあるけど。」

「はい。」

「だけど、飛ぶ練習もしてない…?」

「はい。」

「うん、ピアノはやってる。文章も書いてる。だけど…そうだなぁ…まだ、飛べること疑ってて、だから、飛んでる人達の残した文章とか、アニメとか、漫画とか文章、吸収してる。信じられるために。」

「はい。」

「しかもさ、この鳥、もともと、飛ぶ自由さ知ってるわけでしょう?でも、わたし、過去のことすっごく振り返ってみてもさ、そういう瞬間あったかなぁ…って」

「はい」

「ハンドボールしてた時は、めっちゃ楽しかった。だけど、しんどかった。戻りたいとは、うーん、、、ハンドは戻りたいけど、受験やテスト、教室、にはもどりたくない。」

「はい。特にハンドでは何が楽しかったんですか?」

「そりゃあね、メニュー考える時!あと、試合の時!ビデオ見返すとき!試合を想像する時!みんなの帰り道!部室!」

「ということは、主に、考えてる時間が楽しかったんですね。」

「うん、あと、チームのメンバーに気を配ってるとき。どうやったら、楽しんでくれるかなぁ~って。」

「なるほど。あと、チームメンバーのこと考えている時。」

「うん。楽しかったよ。でも、ちょっと後輩は怖かった。嫌われるのが怖かったなぁ…」

「なるほど」

「うん。そうなんだ。そう、基本的に、自分で考えたり、想像したり、することが大好き。」

「なるほど」

「でも監督とか、先生とか、怖い人達、怒らせたらいけない人達、そういう人と話したり、するのは苦手だった。」

「怒らせたらいいじゃないですか、同じ人間ですよ。」

「うん、。。。。わたしさぁ。。。だめなんだよ、肩書ってやつに弱いんだよ…」

「それは、いけませんね。」

「肩書にびびってるときってさ、とにかく、機嫌を損ねないようにって思ってるから、違うなら、違うって言えるコーチは大好きだったよ。」

「はい。」

「ちゃんと、ものを言える人達に囲まれているのは楽しい!そうだ、そうだ、そう、後輩も大人も友達も、はっきりと正直に言える人達なら、一緒にいて、心地いいんだけど、そうじゃないと、おうおうにして、しんどいなぁ…」

「はい。」

「だから、そういう人達と一緒に仕事がしたい。チーム組んだりするのも。」

「はい。」

「ねずみのちゅうにも、はっきり言ってみようかな。わたし、ちゅうやここのねずみたち大好きだけど、やっぱり、わたしのやりたいことじゃないから、やめる。って」

「いいですね」

「うん。言ってみるよ。」

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ということで、鳥はちゅうに伝えてみることにしました。

するとちゅうは、驚いた顔をしましたが、

「うん、きみがそうしたいなら、そうすればいいんじゃない。ただ、困ったら、また戻っておいでね。」

そういったのでした。

 

続く。