きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり12「n兎を追うものは一兎をも得ず ~気になる人、つかもとゆうた~」

きたのさやこ成長事務アドベンチャーものがたり12「n兎を追うものは一兎をも得ず ~気になる人、つかもとゆうた~」

ケーキを食べ終わったふたりは、ゆっくり紅茶を飲みながらいつも通りおしゃべりを始めました。

「ねぇ、ジム」

「はい。なんでしょう」

「ジムはさ、好きな子とかいる?」

「はい、いますよ。さやこ。きょうへい。」

「お、そうだね、そうだよね。」

「はい。」

「あとは?」

「おじいさん」

「おぉ、そっか。そっか、」

「はい。」

「じゃあさ、なんだろ、こんなんはどう?えっと。。さ、」

「はい、」

「なんか、なんとなく、会ったこともあって、何かの集まりでしゃべったこともあって、だけど、なんか、ちょっと、話しにくい感じでさ、」

「はい」

「だけど、なんか、似てるの、すっごく違うんだけど、こうなりたい!って思ってる、もの…というかさ」

「はい」

「だからさ、相手のことが気になってしょうがなくって、でも相手の進んでる姿見ると傷つく、というか、自分なんてなんもしてねぇなぁ、、、って落ち込むから、」

「はい、」

「うん、こう、相手に見透かされてる、というか、似てるから、こう頑張れてないの、ほんとは不安なのバレちゃってて、それで、なんていうんだろう…」

「はい、」

「そういう人いる?」

「いや、いません。ぼくは、はっきりしてるので。」

「そうだよね。えっとさ、実は、なんでこんな話してるかっていうと。」

「はい。」

「総人で、出会った子でさ、そう思ってた子のこと、すごい急に気になってきたんだよ、最近」

「はい、誰ですか?」

「つかもとゆうた」

「はい、知ってますよ。彼も、大学の間ジムのスキルをかなり磨いてきていますからね。」

「うわ!やっぱり、知ってたんだ。」

「はい、そりゃあ、知ってますよ。彼は飲み込みも早いし、すなおでとてもいい人です。」

「え、そうなんだ、だよね、なんかさ、さっき急に気になって、ツイッター調べてみたんだよ。」

「はい。」

「どんなツイッターしてんだろーって思ったらさ、やっぱり、なんだろう、思わず見ちゃう、というか、

なんだろうなぁ…発言とかはしない人でも、なんだろう、つかもとゆうたがこう言ってるぜ、みたいな、そういう力を感じるんだよ、安心感、みたいなやつ。あの、ほら、有名な人達がもってる、独特の人を安心させる力、みたいなやつ。」

「はい。」

「おいらはさ、ビビりだから、ツイッターとかまじでできなくて、発言すぐ消したくなるし、なんか、こう、人の意見とか、すごい気になるから、できないし、心の底のどこかでそういうツイッター界隈の人達、みくだしてるところあるし。」

「はい、」

「だけど、なくせ、どっか憧れてて、それで、つかもとゆうたが、こうツイッター界隈で有名なことはなんとなく知ってたんさ。」

「はい」

「ぼく、熊野寮だったんだけど、ちょっとだけ、時期かぶってて、つかもっちゃん、途中から熊野に越してきたから。」

「つかもっちゃん…」

「うん、たまに食堂ですれ違ったり、するんだけど、でも、なぜか、挨拶もしない、みたいな」

「はい。」

「あぁ、そうそう、一年生の時にね、初めて出会ったんは木曜日サロンだった。」

「総人のやつ」

「うん。それでさ、木曜サロンでさ、初めて話したときから、あぁ、きっと、わたしのこと、にがてなんだろうなぁ、、、、ってわかってさ、」

「はい」

「めんどくさいなぁ、、、というか、善意おしつけがましい人だなぁ…って思われてるって、感じてて」

「はい」

「わたし、それがショックでなんか、怖かったんだよね。ほんとに、自分のこと大嫌いだったし。」

「はい。」

「さやこ自身は、べつに嫌いとかじゃなくって、とにかく、彼めちゃくちゃすごい子でさ。なんか、サークル9個とかやってるし、アホみたいに授業とりまくってるしさ。」

「はい」

「おいらも、わりと、人からはその時、めっちゃ活発な人って思われてる人だからさ、そういうのも、なんだろう、一緒の匂いがするのよ。」

「はい」

「でもさ、完全に相手の方が、すごくって、こっちは、まぁたしかに授業たくさんとって、実習にもたくさん参加して、それで、なに、教授訪問たくさんして、とか、まぁ色々やってたけどさ、」

「はい」

「でも、もう、ガタきまくってるし。人の前では活発でも、家じゃもうなんにもやる気おきないし、食べることしか楽しくないし。」

「はい」

「しかも、なんだろう、全然ものごと続けられないし、課題とかもこなせないし。」

「はい」

「だけど、つかもっちゃんはちがくってさ、それちゃんとこなしてんだよ。続いてるし。」

「そうですか?そう思い込んでるだけだと思いますよ。彼も、さやこと一緒。何もやる気出ない時もあります。」

「え、そうなの、てっきり、めっちゃすごい人かと、…というか、もう、初めて会った時は、すごい自分が恥ずかしかったね。ほんと、彼を目の前にすると、もう格が違うっていうかさ、」

「はい」

「でも、そうだよね。だって、さっきそれに気が付いたばっかりだもんね。そうやって信じ込んでるから、そのままの姿にたどり着かないんだよね。」

「はい。」

「うん。」

「はい。」

「うん。」

「あ、そうだ、それで、ジムにはこれ読んでほしいんだよ。」

そういって、さやこは、つかもとゆうた君が書いてるブログのある記事をジムに渡しました。

「はい、これ。」

「n兎を追うものは一兎をも得ず?」

「うん」

 

 

つづく