昨今、ChatGPTがクリエイティブを脅かすのではないかと話題である。大学教育も例外ではない(注1)。この度千万遍石垣にAIを導入できるかどうか確かめるため、まず試しにChatGPTに講演要旨を書かせてみることにした。テーマは「学生自治2.0」である。とりあえず課金して4oを使えるようにセットアップ、学生自治2.0についてのリンクをいくつか指定した後に
「私は大学教授です。「学生自治2.0」の内容に関して、日本の文部科学省で講演をしなければなりません。公演の要旨を書いてください。要旨は7回の連載の内容を過不足なく含んでいる必要があります。」というプロンプトで文章を生成、そのあと複数回の対話によって内容を修正した結果がこちらである。(この講演は実際には行われていません)
….いかがでしょうか。
…正直な感想としては「うーん。私なら100点満点中40点かなあ」という域です。興味のある読者はどこが間違っているか確認してみてもいいかもしれません(注2)。もしよければツイートしてね。一方で、例えば訓練なしに10本以上の記事を読み込んでこの要旨を書くには、人によっては数日かかるかもしれません。何も知らない人だと「そういうものか」と信じてしまうかも。以前に「ChatGPTの出力のどこが間違っているか具体的に修正させる」という課題を出しておられた大学教員の方がいらっしゃいましたが(注3)、かなり正しい向き合い方だと思います。実際のビジネスや研究では「一見それっぽいウソ」というのは大損害を引き起こすわけです(注4)。生成AI全盛の今、大量のそれっぽいドキュメントや画像を読み込み、校訂したり嘘を見ぬく能力の価値は高まりつつあります。これは人文知の領域です。21世紀はSTEMではなくて人文学のカンブリア爆発が起きた時代として記憶されるのかもしれません。
(注1) ChatGPTとどのように付き合うか ~いま、大学教育の存在意義が問われている~|アルカディア学報|私学高等教育研究所|日本私立大学協会
(注2) 販促!RYOUTONOMY!! 第1回! ~今、なぜ学生自治なのか 学生自治2.0を語る上での基礎理論 (目次・第一章)~ | 千万遍石垣
(注3) https://x.com/1T0T/status/1819717390009352581
(注4) 例えば地面師に騙されるよね