政府の骨太の方針において「人文社会科学のダウンサイジング」と自然科学分野の強化が掲げられた。これに従って日本国は「科学の発展と人類の進歩」を掲げる応用科学立国の時代へと突入する。
応用科学の時代の日本国には、国家の諸制度、表象もそれに相応しいものへと転換する必要がある。故に国歌や天皇制についてもより応用科学の時代の日本国にふさわしいものへと改革する必要がある。
応用科学の時代の日本国の「君が代」は科学の進歩が人類及び国家の永遠の繁栄を表すものでなければならない。故にその歌詞は現在の「さざれ石の巌となりて 苔のむすまで」からより応用科学の時代に相応しい「プルトニウム239の半減期となりて 放射性廃棄物の無害となるまで」となる。
また、天皇制の在り方もより応用科学の時代の日本国に相応しいものへと見直す必要がある。定命で継承に不確実性が伴う現在の在り方から、より合理的かつ科学の進歩と人類の発展が誰の目にも明らかとなる象徴としての天皇制、しかしながら同時にあまりにも現在の継承体制から乖離するものでは、国民からの理解が得られない。故にこれらの条件を満たす応用科学の時代の日本国の天皇制は、天皇の身体から切除した神武天皇の男系のDNAをもつ癌細胞、通称「癌仁」が象徴天皇として即位する。癌細胞である癌仁はその特性故に永久に細胞分裂を続ける不死の存在である。故にこれ以降皇位の継承を問題とする必要はなくなる。癌仁は天皇の身体から発生した癌細胞であるため、間違いなく天皇から生まれたものであり、世襲という憲法上の規定とも、血統の正統性に関しても何ら問題はない。体内からの癌細胞の切除と、その培養は医学とバイオテクノロジーの発展の象徴である。癌細胞の体内からの切除また不死であるため、癌仁は日本国の発展を永久に見守ることができる。故に癌仁ほど応用科学の時代の日本国の象徴たる天皇として相応しい存在は他にはない。
進歩と発展を基調とした応用科学の時代の日本国は、その永久的な発展の象徴としての癌仁と新たな国歌の下に人類史上稀に見る発展を遂げるだろう。
※人文社会科学の時代の日本国ではこれらの進歩的思想は一部の人文社会科学者たちの反対により実現しなかった。しかし、人文社会科学のダウンサイジングによって、彼らのような何ら経済的成果も上げず、科学の発展にも寄与しない人文社会学者たちは駆逐され、これらの進歩的政策が実現されたのである。

