かつおコンテスト

【第一回かつおコンテスト最優秀賞】フィクション「伝説の鰹節をめぐる冒険」

同志社エスカレーターに乗って将来は実家を継いでくれというのが、父の口癖だ。僕はその期待を裏切って京大に入った。京料理屋なんてやらへん、学者になるんやと息巻いていたのはたったの数ヶ月。疫病の蔓延と学問への意欲喪失を理由に、あっけなく休学してしまった。そんな4回生の夏。 「心臓発作らしいで」と泣きそうな声で母に告げられ、足元が豆腐になって吸い込まれたかと思うほどに、僕は膝から崩れ落ちた。祖父が死んだ。 […]