露出狂のスプーンを有効活用したい

露出狂のスプーンを有効活用したい

先日こんなものを買いました。

皆さんにはこれがなんだかわかりますか?
ヒントは「無印良品で売ってる物」です。

なになに? 「スペツナズ・ナイフ」?
うーん、惜しい! ほぼ正解、ほぼ正解だけどちょっと違うかな。

正解は……これです!

「穴の開いたスプーン」

穴の開いたスプーンでした。スプーンの大事な部分がすっぽりなくなっていて、「きっと露出狂がスプーンになっちゃったらこんな風になるだろうな」と感じたので、私はこいつを露出狂のスプーンと呼んでいます。決して露出狂が使っていたスプーンではないですし、ましてや私が露出狂という意味でもありません。

さて、私がなぜこんな物を買ったかというと、「なんとなく誰かが見ているのではないか」という疑念を捨てられないからです。この「誰かが見ているのではないか」という感覚は周りにいる人が私に注意を向けているのではないかというものではなく、「自分の生活がカメラを通じて生放送されているのではないか」という『トゥルーマン・ショー』的被注察感です。私はその存在しない生放送を盛り上げるために「ここでこれを買ったらウケるんじゃないか」と思った物を買うことがあります。絵を描かないのにデッサン人形を買ってその日のうちに壊してしまったり、誕生日でも何でもないのに数字の「6」の形のロウソクを買って未開封のままほったらかしにしたりしているのはそれが理由です。

つまり、この露出狂のスプーンに私はなんの意義も見いだしていません。
でもそれって

かわいそうですよね

なので、なんとかしてこの露出狂のスプーンを再就職させてあげたいのです。


右手に露出狂のスプーンを持ち、左手のてのひらをペチペチと叩きながら、「これを使えば視力検査でズルができるなぁ~」なんて考えていたとき、私の頭に名案がおりてきました。

ピンポン玉リレーでこいつを使えば無双できる。

そうは言ったものの私は卓球をしないのでピンポン玉が家にはありません。なにか小さすぎることも大きすぎることもなくて、白い球体はないものかと家中を探し回っていると……

見つかりました

賞味期限が2020年6月7日のタマゴです。冷蔵庫の奥の方から出てきました。

賞味期限が半年前のタマゴが冷蔵庫から出てくることには賛否両論あるでしょうが、少なくとも今、私が探し求めていたものに違いありません。

この食品としては恐らく死んでしまったであろうタマゴを使って露出狂のスプーンが本当にピンポン玉リレーで無双できる器なのかを試したいと思います。

さっそくあの穴にタマゴをはめてみたところ、めちゃくちゃ綺麗にタマゴが立ちました。

コロンブスもこのスプーンがあれば、タマゴの端を潰すという炎上しそうな事をせずともタマゴを立たせることができたでしょう。

↑先ほどの状態を横からとった写真。特にこの写真に意義はない。

ではさっそくタマゴをスプーンに乗せたまま歩いてみることにします。
はたして本当に露出狂のスプーンは球体を運ぶのに有利なのか?

有利でした。スプーンの上でタマゴが転がらないので、そちらに気を払う必要がなく、大きく手が動かない程度にスピードを出すことができます。

つまり、これを使えば……

スプーンの上にタマゴを乗せながら華麗なボックスステップを踏むこともできます。便利~

結果:

無事、露出狂のスプーンの再就職先が決まりました。もう露出なんて辞めて、まっとうに生きるんだぞ。

賞味期限が半年前に切れたタマゴについてはどうすればいいのかわからなかったのでもう一度冷蔵庫の奥のほうにしまっておくことにします。

終わり