プロジェクトDelay 堕落者たち【噴出する日本の膿、東京五輪】

プロジェクトDelay 堕落者たち【噴出する日本の膿、東京五輪】

令和3年、賛否両論が飛び交うなか東京オリンピックが開催された。そこに至るまでには数多くのドラマがあった。「都市の中心で開催するコンパクトな大会」を掲げ、1,300億円で建設される予定だった国立競技場。しかし再試算してみると費用が3,000億円にまで膨らみ白紙撤回。「復興」もテーマの1つだったが、原発や被災地はとうていアンダーコントロールではない状態。エンブレム盗用問題、JOC会長による贈収賄、パソナの契約金疑惑、ホロコースト切り抜きで辞任などがありつつ、最大の懸念はやはりアスリートの体調面であった。トライアスロンは大腸菌まみれのお台場で開催されるのか、マラソンは札幌で開催できるのか。

そもそも暑さ対策として考えられたのは、道路脇にアサガオを植えることで涼しい印象を与える、マラソンのゴール地点に氷風呂を用意する、マラソンコース沿いの店はエアコンを最強にしてドアを開け放つ、風鈴で涼しさを演出、両手が使える笠を普及させるなど、すでに暑さで頭をやられたような案ばかり。

そんななか世界的にコロナが流行して開催は1年延期した。コロナ対策でも日本の膿が大噴出し、ガバガバな感染者管理、イミフメイな営業時間短縮、そして理不尽な補助金制度によって、30年間低迷してきた経済がさらに失速した。結果としてオリンピックには3兆円を超す予算が投じられ、コロナによる経済ダメージははかり知れず、その負担はこれからの若者世代にのしかかってくる。多様性、議論、責任、長期目線、データ主義を欠いた意思決定層と、機能不全に陥ったオールドメディア、そして喉元過ぎれば熱さを忘れる国民。いったい老害はいつ退場するのか、若者が権力の座を奪い取らないといけないのか。現代日本を象徴する東京オリンピック2020の舞台裏を描く。

 

参考
プロジェクトX 挑戦者たち 料理人たち – 炎の東京オリンピック 内容説明
プロジェクトX 挑戦者たち 東京ドーム 奇跡のエアー作戦 内容説明

過去の作品
歩けメロス