美味しいラーメン見つけたっ

美味しいラーメン見つけたっ

山岡家で見つけたっ

この記事は、Kumano dorm.AdventCalender2021の14日目の記事です。

 

航空部と山岡家

私のtwitterを知っている方はお分かりだろうが、私は昨年札幌市に住んでいた。そう、全国チェーンでくっさい豚骨の香りを公道に吐き出しているラーメン山岡家の運営会社であるところの丸千代山岡家の本社があり、その店舗数実に13店舗を数える山岡家の聖地と名高い札幌市である。

 

私は札幌に住んでいた時は航空部という部活に所属していたが、この部は滝川という札幌から直線距離で約70km離れた場所で活動していた。活動も日が暮れるまで行うので、札幌に帰着するのはとっくに普通の飲食店は営業を終了した後である。

そんな時に重宝するのが基本どの店舗も24時間営業の山岡家である。活動帰りで皆お腹が空いているところに札幌市に入るとすぐに現れる山岡家本社(ラーメン山岡家東雁来店)に吸い込まれ、各自その日消費したエネルギー分の“給油”を行った。

そのため航空部は日常的に山岡家を利用していたので、山岡家に関する文化がいくつか存在した。

1つ目に、卒部生に山岡家Tシャツを贈るという文化。山岡家ではラーメン1杯につき1枚サービス券が発行されるのだが、これを50枚貯めると山岡家Tシャツを1枚ゲットすることができる。因みにサービス券はそんな頭の悪い使い方をしなくとも、もっと少ない枚数で餃子やラーメンをサービスしてもらうことにも使える。航空部のHPによると部には現在35名が在籍し、卒部生全員に山岡家Tシャツを贈るとなればサービス券を何百枚と貯める必要がある。これはすなわち山岡家のラーメンを年に何百杯と食べる必要があることを意味する。なかなかサービス券が集まらないこともあるので、秋頃になると部内LINEで積極的な山岡家の利用が呼び掛けられる。

山岡家の積極的な利用

2つ目に、部活1回生は山岡家の辛味噌ラーメン激辛については先輩に奢ってもらえるという文化。山岡家の辛味噌ラーメンは小辛,中辛,大辛,激辛と4段階で辛さが選べる。私はこのラーメンで調教されたので、山岡家で辛味噌ラーメン以外を食べると少々物足りなさを感じるし、辛味噌ラーメンでも中辛などを頼むと物足りなさを感じる。

3つ目に、旅先で出くわした山岡家の店舗の外観を基に何店か推測するという文化。よく部内LINEに謎の赤字に白文字の構造物の写真が投稿されていた。回答が当たっていた場合はなぜか「牲魁」のように「正解」の文字を崩して投稿するようになっていた。航空部では普段から活動場所への移動に車を長距離走らせることから部内ドライブが盛んであり、道内各地の山岡家が部内LINEを彩っていた。

このように航空部の活動は山岡家と強い結びつきがあり、山岡家なくして航空部なしと言っても過言ではない(過言である)。

私と山岡家

札幌時代にお世話になった飲食店は沢山あり、今でも札幌に行ったら必ず行く飲食店も多い。北大近辺のインドカレー屋やザンギカレー屋、カルビ丼屋にはよくお世話になった。しかし、部活で馴染みがあったことと24時間営業であることからだろうが、距離的にはそれらの店よりもかなり遠い山岡家の方が回数で言うとよく行っていた。

真夜中に部活の先輩のお腹すいたツイートを捕捉して山岡家に誘ったり、逆に私がお腹すいたツイートをして先輩に山岡家に誘ってもらったりした。そうすると4桁の数字が送られてくるので、指定された時間に下に降りるとタイムズカーシェアの車が横付けされていて、ちょっとした深夜ドライブを楽しんだものだ。先輩にはとても甘えさせてもらった(もらっている)。熊野寮に入って、いつでも他の同世代の人間がいる環境になってからは、このような、普段会う人が違うとことに住んでいるからこそ発生するコミュニケーションが愛おしくもある。因みに私やその先輩は北大の18条門近辺に住んでおり、最寄りの24時間営業店舗はすすきのにあって特に車を出す必要はないのだが、毎回車を出してすすきの店よりも遠い店舗に通っていた。

深夜ドライブの妙な高揚感で2割増しの美味しさになった辛味噌ラーメン激辛は非常に美味で、私には部活帰りの山岡家よりもこちらの方が印象深い。

京都と山岡家

かくして辛味噌ラーメン中毒になった私であるが、京都に越してきて一つの苦難に直面することになる。京都府とその隣府県(ここでは京都府北部で隣接している兵庫県を隣県と認識していない。現実的に兵庫県にある山岡家に行こうとすると間違いなく大阪部を経由するので。) には山岡家は1店舗もないのである。熊野寮から最も近い店舗は三重県にある四日市采女店であり、直線距離にして約73km。驚くべきことに、前述の札幌―滝川間の距離よりも遠いのである。

山岡家の辛味噌ラーメンは恋しいが、流石にこの距離をラーメン1杯のために一人で運転していくのは阿保らしいので、寮の談話室でずっと山岡家への愛を叫び続け、ようやく10月末に初めてブロックの先輩と山岡家に行くことに成功した。

どうやら、その後今日(12月14日)までにこれを含め6回山岡家に行っているようで、ドライブの途中に立ち寄ったものを除く単純な山岡家訪問目的の山岡家は最短で2週間に1回のペースであるようだ。

馬鹿なの?

多くの時間と移動費をかけて二週間に一度食べるようなラーメンではない。

だが、山岡家の味は確かなようで、一度山岡家に行った者からはそれなりの好評をいただいている。私が変な調教を受けて味覚がおかしくなっているわけではないようで安心した。

しかし、73㎞もの距離を移動しようとするとガス代も馬鹿にならず、少なくとも参加者が3名以上集まらなければ山岡家ドライブは発生しない。前述した札幌―滝川間の運転は、利尻島での昆布干しバイトのついでに札幌を訪れた際にちょうど山岡家目的で一度前述の先輩と2名でやっており、徹夜明けであったこともあるのだが帰路の途中でぶっ倒れている。ラーメン1杯のために払う対価としてはあまりに高すぎる。

京都市に「山岡家」を!

ここで求められるのは京都市内への24時間営業の山岡家の店舗の出店である。

札幌市には13店舗もある山岡家が、京都府内はおろか隣接する府県にすら1店舗もないのは、京都に既に美味しいラーメン屋が多数あることを考慮しても不合理極まりない。山岡家の各種ラーメンの味は、天下一品をはじめとする関西に地盤を持つラーメン屋が多数ある京都市内にあっても通用する十分な実力と京都における独自性を持っているはずである。山岡家が主戦場としているロードサイドという観点からも、京阪神や太平洋ベルトといった帯の中で重要な地位を確立している京都は十分なポテンシャルがあると考えられる。

実は山岡家には京都府八幡市に出店して撤退した過去がある。店舗は国道1号線に位置し、トラック運転手をターゲットにした出店であったと考えられる。しかしながら、八幡となると周辺の大学生などの獲得は難しかったことであろう。山岡家の出店を考えるにあたって大学生の存在を考慮しないのはナンセンスである。札幌で深夜に山岡家に通っていたときには、まあまあな郊外の店舗であるにも関わらず我々の他にも大学生グループがいることが多かった。その点、京都市は日本一の学生の町である。どこに出かけるにしても距離がかかる北海道は別として、大学生の持っている普段の交通手段は一般的には良くて原付である。このため、京都の多くの学生を獲得するには少なくとも京都市内に出店することが望ましい。最寄りの店舗が73㎞先であっても10月末以降平均して月に三度通う学生がいるほどであるのだから、市内に出店されれば盛況は間違いないだろう。

 

 

告示第1号

赤井川ぽかりは、山岡家の自主的な出店地選考について、直接関与するものではない。

しかし、京都市内において、出店せずにそのラーメンの中毒性を以って資金と運転技術を欠く大学生を四日市まで定期的に通わせることは、企業の社会的責任に違反する行為である。

また、貴社の商品を購買するポテンシャルがある京都地域を蔑ろにする行為は、貴社にとっての機会的な損害であり、さらには、日本経済全体にとっての損害であり、むやみに日本経済の停滞を助長することは、断じて許されるものではない。

赤井川ぽかりはこれらの行為にはラーメン山岡家HPの意見箱への投書を含め厳正に対処する。

京都市内の学生には、積極的に山岡家を利用するとともに、山岡家の京都への出店を促進するよう意見箱への投書を促すものである。

特に、新型コロナウイルス感染症の拡大による飲食店への打撃が叫ばれるなか、山岡家の京都への新規出店が危うくなる状況は回避すべきであり、学生諸君には賢明な判断を求める。

令和3年12月14日

赤井川ぽかり