京都大学保健診療所を廃止しないで下さい

京都大学保健診療所を廃止しないで下さい

我々京大保健診療所の存続を求める会(以下、「求める会」)は、事前に利用者・関係者への意見調査・説明や代替案の提示を一切することなく、唐突に京都大学保健診療所の診察を終了する措置に反対し、京都大学に対し診療所の存続を求めるために運動を開始しました。この記事ではその目的を果たすために、診療所が現時点で強く必要とされている状況や診療終了の問題点を明らかにし、さらに求める会の現在の動きを整理して広く公開したいと思います。

この記事は、求める会の問題意識や現在の状況についての共有を目的としています。要点を知りたいという方は下にある「0.現在の状況と直近の方針・お願いについて」の節だけ読んでいただければ問題ないようになっています。

0.現在の状況と直近の方針・お願いについて

 
現在、桂・宇治・本部に設置されている京都大学保健診療所が利用者や関係者への事前の連絡・相談なく診療を終了するという12月1日付けの通告が発表されています。求める会はこの唐突な診断終了に反対しています。直近の方針として、12月8日に迫る京都大学診療所の神経科初診受付終了を阻止するために12月6日に京都大学に対して反対署名の提出を予定しています。診療終了を防ぐために一筆でも多くの署名を集めたいと考えておりますので、ぜひ下のリンクより署名にご参加いただけますようお願い申し上げます。
署名:京都大学保健診療所を廃止しないで下さい

また、もしよければ署名運動の拡大と診療所終了をめぐる状況の共有のために、署名のリンクやこの記事をSNS等で拡散して頂けますと誠に幸いです。

1.通告の内容について

12月1日に京大保健診療所での診療を終了する旨の通告唐突に発表されました。その内容を要約すると以下の通りです。

  • 吉田・宇治・桂での診断を来年1月31日に終了すること
  • 神経科の初診受付を今年の12月8日で受付終了すること

2.そもそも保健診療所とは?

 
保健診療所とは、京都大学の学生および職員を対象に診療している学内に設置された医療機関です。吉田キャンパスの診療所を本部として、宇治、桂、熊取のキャンパスにそれぞれ分室が設置されています。内科と神経科の二つの診療科があり、診察後は院内処方を受け取ることができます。
 
本部保健診療所では、医師、看護師、保健師、薬剤師、医療事務職員が常駐し、月曜日から金曜日まで毎日内科および精神科の診療が行われています。
 
健康保険証は不要で、学生の場合は学生証、職員の場合は職員証と文部科学省共済組合員証を提示することで受診できます。診療費は、学生や非常勤職員においては相談や診察は無料で薬剤や検査は実費、常勤職員では文科省共済組合保険にかかる自己負担分(3割) です。
 
内科では、体調が悪くなった場合の初期治療やけがの応急処置、健康相談の受付、健康診断結果の説明、予防接種、診断書の発行、禁煙支援が行われており、神経科では、精神的な不調に関する相談、診断および薬物療法を含めた治療や、診断書の発行が行われています。
 
 

3.保健診療所を必要とする理由

 
以下のような理由により保健診療所は必要とされており、求める会はこのような要望を無視して診療を終了することに反対しています。
  • 低廉な自己負担で利用でき、経済的に困窮している人にとって通いやすい
  • 予約不要であるため、予約の際に必要とする心理的コストがなく、精神的に余裕がない状況でも通院しやすい
  • 京都大学の学生・教職員にとって利用しやすい
  • 保険証が不要であるため、留学生や、家庭の事情で保険証を所持していない人であっても通院が可能
  • 学内の他の部署(カウンセリングルーム・相談室など)と連携が取れる
  • 医師による投薬治療が受けられる
  • 「他にも学内の利用者がいる」という情報と安心感が得やすく、受診の心理的ハードルが低い
  • 大規模な内科を持つ病院でしか対応していないような予防接種を受けられる
  • 「医療機関を自分で見つけ出さなければならない」という心理的コストがなく足を運びやすい

4.通告・診療終了の問題点について

求める会では、上記の通告や診療終了には次のような問題点が存在すると考えています。

  • 通告から診療終了までの期間が極端に短く、利用者および受診を検討している者への代替措置すらない

上記の通告が発表されてから神経科の初診が終了するまで一週間しか猶予がなく、また現在受診中の人にとってもあと2ヶ月しか診療所を利用できない状態です。現在診療所に通っている方や受診を検討している方の中には、生活が困難なほど深刻な状況にいる方や診療所があるおかげで生活ができている方もいらっしゃいます。病気で気力・体力が失われている方はもう新しい通院先を探せないかもしれません。元々通院が必要な学生・職員が多いのに加えて、コロナ禍の中で孤独を強いられて強いストレスに晒されている学生にとって、保健診療所は今まさに必要な場所です。そういった方々を唐突にかつ対応策無しに放り出すことは問題があります。

  • 関係各所への事前の相談・説明がなされていない

今回の通告は教授会での審議を経ることなく理事会によって決定事項として話が進んでおり、さらに保健診療所や診療所を直接管轄する環境安全保健機構 健康管理部門においては通告によって初めて診療終了を知らされる状態です。当然利用者にも事前の相談・周知はありませんでした。求める会としては、このような一方的かつ強権的な権力の発動を問題視しています。

  • 大学の福利厚生機能を損なう可能性がある

通告には今後京大内で同様の機関が設置されるか否かについて全く触れられていません。もし同様の機関が今後設置されない、あるいは機能の縮小を行うのであれば、これは京都大学が持つ福利厚生機能を損なうものであり、学生・職員の権利を害する京大当局の行動は問題があると言わざるを得ません。

  • 地域医療を圧迫する可能性がある

地域の医療機関に連絡を行うことなく唐突に医療機関を閉鎖した場合、特に精神科においては他の医療機関に人が流れ地域医療を逼迫させる可能性があります。そのため、地域と連携が取れない突然の診療所の閉鎖には京大内に留まらない問題点があるといえます。

5.求める会の動きと目標について

 
求める会では現在の診療所機能を縮小させることなく維持・継続することを目標として活動しています。そのために、現在以下のようなことを行なっています。
 
1. 署名集めと要求書の提出
 
診療終了反対に賛同する声を集めるため、次のリンクから署名を集めています。診療終了に反対される方はぜひご参加ください
署名:京都大学保健診療所を廃止しないで下さい
また、診療所の維持継続を求める要求書を12月6日に提出する予定です。
 
2. 京大職員組合との連携
 
京大職員組合と協調して診療所の継続を求める運動を展開するために、中央執行委員の駒込教授に連絡をとっています。今後、京大職員組合全体として連携を取れるようお願いをしています。
 
3. 政治家への連絡
 
京都2区から出馬している前原誠司衆議院議員・繁本護元衆議院議員の各事務所に連絡を取り、来年以降の診療所の体制についての事実確認と、これまで通りの診療体制の確約を働きかけてもらえるようお願いをしています。
 

6.その他リンクなど

<参考>

<まずはこの4つ>保健診療所問題の現状を知りたい!

京都大学保険診療所を廃止しないで下さい-千万遍石垣

→保健診療所とは何なのか、今一体何が起こっているのか、何が問題なのかをざっくり解説しています

「京大保健診療所の存続を求める会」が提出した要求書(返答期限2021/12/14)に対する返答がないことについて(2022/1/8))

→要求書を提出しましたが返答がありませんでした。その詳細についてまとめました。

精読『学生相談窓口の拡充と保健診療所における一般診療の終了について』-千万遍石垣

→12/8付けで発表された京大執行部の文章の何が問題なのかを詳しく解説しています。

京大保健診療所の存続を求める会公式サイト

→保健診療所の存続を求める会の公式サイトです。

 

<さらに興味が湧いた人向け>情報をもっと収集したい!


京大保健診療所の存続を求める会公式twitter

→保健診療所の存続を求める会の公式twitterです。いろいろな情報を発信しているのでフォローの方よろしくお願いいたします。

・京大保健診療所の存続を求める会 「要求書」

→12/6付けで「保健診療所の存続を求める会」が提出した「要求書」です。12/14までの回答を求めています。

京都大学職員組合 「保健診療所診療終了の見直しを求める要請」

→12/7付けで「京都大学職員組合」が提出した「保健診療所診療終了の見直しを求める要請」です。

 

私も何か協力したい!


京大保健診療所の存続を求める会情報共有LINEオープンチャット

→様々な情報を集約するためのLINEオープンチャットです。是非参加のほどよろしくお願いします。

署名サイト

→京都大学保健診療所を廃止撤回を求める署名サイトです。2021年12月11日現在、4000人近い方に署名を頂いております。