車検に行ったらグダグダだった話

車検に行ったらグダグダだった話

皆さんはレモンハート号を知っているだろうか。もしご存知でないのならこちらの記事を参照していただきたい。

さて、今回はそのレモンハート号を車検に通しに行った時の話をしようと思う。

満身創痍のレモンハート号

知っている方は知っていると思うし、上に添付した記事を読んでくれた方もわかるだろうがレモンハート号は満身創痍という言葉がぴったり似合う状態だった。サイドミラーが直ったかと思えば、今度は友達が右前フロントバンパーをぶつけたり、前照灯のバルブが切れたりと本当にひどい状態だった。そこをなんとか車のいじれる友人が直してくれ、車検位持っていける状態になんとかなった。彼には本当に頭が上がらない。

車検に立ちはだかる前門の虎

さて、車検に持っていける状態にまでなったレモンハート号だったが、ここで問題が起こる。

車検に持っていく予定の日の前日が忘年会だったのだ。忘年会といえば酒である。当然酒を飲んだ。翌日車検に行くこともそのために朝早く起きなければならないことも忘れて。整備をしてくれた友人には「クレバーな時間に帰って早起きする」と言っておいたのだが、結局家に帰ったのは午前3時だった。ステューピッドな時間に帰ってしまったし、案の定、寝坊した。それでもなんとか昼前に家を出発した。そのまま車検場に行きたいところだが、踏みとどまって寝屋川のテストセンターを目指した。テストセンターとはユーザー車検(業者を介さず車の所有者が自身の手で車検を通すタイプの車検)通過を目指すドライバー達が車検前に訪れてチェックを受けるところである。言うなれば車検の模試のようなものである。時間が惜しいので(車検場は16:00に閉まる)第二京阪で寝屋川を目指した。渋滞を切り抜けてテストセンターで最終チェックをしてもらった。メンテナンスをしたばかりで正直余裕だと思っていた。しかし、油断は禁物である。

「右のナンバー灯が切れてますね」

衝撃だった。同時に後ろのランプ類をチェックしていなかった己を恨んだ。幸いにしてランプ交換は1000円もしなかったのでその場で交換してもらい万全になった。はずだった

「左のロービームの光軸が厳しいかもしれません」

破滅。圧倒的破滅。ここまできたのに車検は通らないのかと思った。車検切れは年明けすぐにやってくる。それまでに何としても通したかったがここまでかと思った。そこでテストセンターの人がハイビームは大丈夫だから通ると思う、と教えてくれた。車検はロービームがダメでもハイビームが耐えていれば通るらしい。これで満を持して(?)車検へ行ける。意気揚々と私は最寄りの京都南検査場を目指し、レモンハート号を駆った。

後門の狼

近畿陸運局京都運輸支局京都南自動車検査場についたのは15時手前だった。この時点でかなり滑り込みだと言えるが、ここから社会不適合者ムーブを連発することになる。まず、本来ならば窓口に行って色々書類を書いてからコース(車検を受けるところ)に行くのだが、何をトチ狂ったのか私はなんの受付もせずにコースに入ってしまい検査員のおじさんから「書類持ってきてね」と言われてしまった。すごすご書類を受け取りに窓口に行ったら今度は受付のおばさんに「予約されてますか?」と尋ねられ、飛び込みである旨を伝えると私の後ろの机にある書類を記入するように言われた。書類を記入し、違う建物で自動車重量税という名のわけのわからない税金や印紙代を払い、再び受付に戻ってきて検査票を受け取ってからコースで検査を受けるというのが正式なルートのようだった。そこで私もこの複雑な正規ルートに従ってやってみることにした。頑張って書類を三枚書き、お金を納めに行く。以前友人がジムニーの車検代は12000円で済んだと言っていたのを覚えていたので私も12000円しか持って行かなかった。書類を窓口のおばちゃんに渡し、お金を払う構えをしていた。12000円なんて余裕やと思っていた私におばちゃんは残酷にもこう告げた。

「36000円いただきます」

思わず耳を疑った。なにせ想定の三倍の金額を請求されたのだから。そして動揺しまくった私はクレジットカードが使えないか聞いたがクレカはダメだった。おばちゃんにお金が足りないことを笑われ、3ナンバーのレモンハート号が軽自動車のジムニーと同じわけないと説教された。とりあえず検査料を払ったらあとのお金は検査後でいいと言われたので検査料だけをとりあえず納めた。そして、時間がない中私はまたしてもやらかしてしまう。書類を最初の窓口に持って行き忘れ、そのままコースへと行ってしまったのである。おじさんが書類の不備に気づいて、もう一回おいでと優しく対応してくれた。正直かなり帰りたかった。しかし、めげずに窓口で書類を申請すると、受付の人から、「ユーザー車検が初めてならビデオを見てください」と言われ、自動車学校で見るようなクオリティの、いかにもお役所なビデオを5分ほど見る羽目になった。こうしている間にも時間は過ぎていく。車検だけでなく私にはまだ残り30分で受付のおばちゃんが教えてくれた近くのATMに行き、お金を下ろし、戻ってきて、残りのお金を払うというタスクが残っていたのだ。ビデオを見終えた私は、急いでコースに行った。今度こそなんの問題もなく検査を受けられた。三度目の正直とはこのことかと思った。どんな手続きも3回目にはうまくいくものである。一抹の不安を覚えつつ優しい検査員さんの指示に従って一つ一つの検査をクリアしていく。車検自体はなんの問題もなくクリアできた。ここで胸をなでおろしたのもつかの間、すぐに近くのATMへ向かった。歩いて行こうかと思ったが、歩いて10分かかるATMでは車検場が閉まる時間までの残り15分に間に合わない。即座にレモンハート号で行くしかないと判断した私は半ば脱走兵のような気持ちで車検場を後にし、近くのATMで5万円を下ろした。気持ちだけが急ぐ中、幹線道路が複雑に入り組む交差点で信号待ちを喰らい、ものすごく焦った。時刻は15時53分。残り7分で車検場に戻り、諸所の手続きを終えられるのか。終えられなかったら?そんな不安が脳裏をよぎりまくった。遠い方の車検場に後日戻ってこれるほどのバイタリティがあるようには思えなかった。つまり、なんとしても間に合わなければならなかったのだ。そして、願いが届いたのか車検場に戻ったのは15時56分頃だった。急いで受付のおばちゃんに税金と印紙代の残りを支払う。そして隣の窓口で自賠責の支払いを待つ。手元にある古い自賠責の紙に書かれた金額を見て私は愕然とした。そこには26680円と書かれていた。しかし、自動車重量税や印紙代を支払った私の財布には26000円しかない。もはやこれまで。そう思った矢先、自賠責担当のおばちゃんは自賠責の料金が20010円だと言ってきた。ハレルヤ。ありがとう世界。こうしてなんやかんや全てのプロセスを耐え抜いた私は完成した全ての書類を手に、最初の窓口へ戻り、車検証を受け取った。この時時刻は16時03分。車検場のみなさん、残業させて申し訳ありませんでした。無事車検証を受け取ったが最後に衝撃的なことを言われた。

「法定検査を受けていないようなのでなるべく早く受けてください。後日国土交通省からハガキが行きますので。」

最後の最後でトラップ発動である。おのれ国土交通省、許すまじ。こうして私は近畿陸運局京都運輸支局京都南自動車検査場を後にした。

最後に

今回、車検はなんだかんだ切り抜けることができた。それによってレモンハート号の安全は確認できたが、どうやら私の方に問題があるように感じた。あまりにもグダグダ過ぎて非常に多くの教訓が得られたと言える。しかし、皆さんは前もって何がいるのかやお金がいくかかるのかを事前に調べてからユーザー車検に行くことをお勧めする。

良いカーライフを!