Dali

  • 2021.02.17

歩けメロス

メロスは歓喜した。かの邪知暴虐の王が、信頼を、忠誠を、そして友情を認めたのである。三日三晩、王城では宴が開かれた。呑み、食い、唄い、踊り、騒ぎ、みなが狂喜乱舞した。ひとしきり満腹になると、順に厠に立ち、口の奥にクジャクの羽を突っ込んですべてを吐き出した。そうしてまた新しい料理の味を楽しむのである。海の幸、山の幸。酒池肉林で鯨飲馬食。まさに狂宴であった。 しかし4日目の朝に、事件は起きた。 メロスが […]

  • 2021.01.17

共同創作「手」

1枚の絵から感じたことを自由なかたち(評論、解釈、物語、パロディー、etc.)で表現してみる企画。おなじ作品に対するいろいろな反応をならべてみたら、それぞれの個性もわかるし、あたらしい文脈もうまれて、おもしろいかもしれない。というわけで、各個人がべつべつに応答をかいてみた。「展示解説《手》」「私は人事という仕事に誇りを持っている…」「見えざる手」「僕は、人間の選別を始めた…」の4編を収録。

  • 2020.08.31

柿太郎

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでおりました。2人は村のはずれの大きな大きな家で、仲良く暮らしておりました。 ある日、いつものようにおばあさんは島まで遠泳に、おじいさんは山に熊撃ちに出かけました。おばあさんが島に到着し、休憩がてら付近を散策していると、崖のうえに柿の木があるのを見つけました。「おや、あんなところに柿の木が」崖はゴツゴツとしていて、高さも20mはありましたが、 […]

  • 2020.08.30

33匹の子ブタ

むかしむかし、あるところに、33匹の子ブタがおりました。33匹の子ブタは、広い原っぱで毎日ゴロゴロしながら、幸せに暮らしていました。 そんなある日のことです、原っぱにオオカミさんがやってきました。「うっしっし、ここには太った子ブタがたくさんいるわい。ワオーッ」オオカミさんの恐ろしさを知らなかった子ブタさんたちは、逃げるのが遅れてしまい、子ブタの長男、次男、三男はいっぺんに食べられてしまいました。「 […]

  • 2020.08.29

浦島次郎

むかしむかし、あるところに、浦島次郎という若者が住んでおりました。 ある日、浦島さんが浜辺を歩いていると、村の少年たちが何かを囲んで集まっていました。ワイワイガヤガヤとにぎやかで、なんだろうと思って浦島さんが近づいてみると、どうやら村一番で力持ちの少年が、大きな大きなカメと力比べをしているのでした。 いや、力比べというより、それは相撲とか柔道とか、または今でいうところのレスリングに近いものでしょう […]